11月14日(土)の立川おしゃべり会で文献学習会を開催!
~子宮筋腫の新薬と、卵巣チョコレート嚢腫のがん化について、文献から学んでみましょう!~
子宮筋腫も子宮内膜症もその原因が長らく解明されずにきましたが、最近の研究では新しい知見が多数報告され、筋腫や内膜症の全体像が徐々にわかってきました。
そこで11月と12月の立川例会にて、医療文献チームが収集した医療文献の中から興味深いものを選んで学習会を計画しています。
医療文献はとっつきにくい、難しい、と感じている方は多いと思います。
医療文献の理解のさまたげになっているのは、専門医学用語や英語の部分。1つわからないことばが出てくると、そこで止まってしまい、読む気が失せてしまいますよね。
今回は、そこをクリアするために、わかりにくいところは質問を受けて、ゆっくり解説しながら読みあわせを進めますので、医療文献を読むのは初めてという方でも大丈夫です。
文献の解説は、分子生物学を専攻する医療文献チームスタッフが受け持ちます。難しい用語については用語集を作成して配布します。
学習会に使用する文献は新着文献の中から次の2本を選びました。
●11月14日(土)立川例会13:30~
特集 子宮筋腫診療のすべて ホルモン療法 楠木泉 北脇城(京都府立医科大学大学院女性生涯医科学)産婦人科の実際2014年10月発行
●12月12日(土)立川例会13:30~
特集 子宮内膜症・子宮腺筋症ーその新しい展開ー最新の病因論 子宮内膜症の悪性化と分子メカニズム 小林浩(奈良県立医科大学産婦人科 教授)産婦人科の実際2015年7月発行
子宮筋腫に関する文献では、ホルモン療法の最新知見を知ることができます。
現在行われている子宮筋腫のホルモン療法はGnRHアゴニストが中心ですが、その他にGnRHアンタゴニスト、アロマターゼ阻害剤、プロゲスチン製剤、ダナゾール、選択的プロゲステロン受容体モジュレータなどが治療効果を期待されています。
中でも、最近になって筋腫の増大にはエストロゲンの他に黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響があることがわかってきており、坑黄体ホルモン作用により筋腫を縮小させる選択的プロゲステロン受容体モジュレータについての記述が興味深いです。
新薬のウリプリスタールアセテートはその1つで、3ヵ月の投与で縮小効果があり、リュープリンと同等の出血抑制作用がある上ホットフラッシュの発生が少ないことが報告されています。
12月19日(土)に計画している日本橋手術映像上映会でもウリプリスタールアセテートについてのミニ学習会を行い理解を深めます。こちらもご参加ください。
一方、12月例会で取り上げる子宮内膜症についての文献では、子宮内膜症が、母体の環境要因により将来子宮内膜症を発生するという「子宮内膜症胎児発生説」や卵巣チョコレート嚢胞のがん化の発生の要因などを解説しています。
2016年1月16日(土)に予定している、相模野病院婦人科腫瘍センター長の上坊敏子医師によるたんぽぽセミナー「子宮の病気・卵巣の病気」を理解するためにも、勉強しておきたいと準備しました。
卵巣嚢胞ががん化するって具体的にはどういうことなのか、がん化のメカニズムなどを知っておけば、上坊さんのお話を理解しやすくなりますね。
11月も12月も、最初にいつものおしゃべり会を行ってから後半で勉強会を行います。たくさんの方のご参加をお待ちしています。